空間のグレード
東京23区の中古マンションの住み心地は、方位、眺望、住戸の所在階、間取り、さらには健康への配慮の有無によっても違ってきます。そこで、どのような点に注意して中古マンションの住戸を選
べばいいのか考えてみましょう。
一般に、マンションの価格は住戸の所在階によってかなりの差が生じます。通常は、上
の階になるほど日当たりや眺望がよくなるので、その分価格も高くなります。
最も価格が高い住戸は、最上階の部屋になる場合が多いようです。最上階だと、上の階
の騒音がないというメリットがあります。ただし、断熱性能が悪い中古マンションの場合には、
夏暑くて冬寒いというデメリットも考えられます。
最上階にかぎらず、建物の隅にある「角住戸」は左右を住戸に挟まれた「中住戸」より
も価格が高くなる傾向があります。角住戸は住戸の二面にバルコニーや窓を設置できるの
で、採光や通風に優れるというメリットがあります。
開口部が少ないことイコール中住戸のデメリットということになりますが、同時に冷暖
房の効率がよくなるというメリットも指摘できます。
価格に着目すると、一般に最下階で隣に共用設備のある部屋が最も安く、エントランス、
駐車場、エレベータi付近など騒音や人通りが気になりそうな住戸も割安になる傾向があ
るようです。
方位で最も人気があるのは、やはり南向きです。バルコニー側の前面環境にもよります
が、目の前に高い構造物がないことを前提にすると、南向きなら日照時間が長くて、日当
たりがよく、採光も有利です。デメリットとしては、他の方位の住戸のある中古マンションの
場合には、価格が割高に設定されること、北向きだと、一日中日が当たらないので、洗濯
物や布団が乾きにくいというデメリットがありますが、一方で価格は安く設定されます。
日中ほとんど部屋にいないので日当たりは気にならないという人は、コストバリューとい
う点で北向きも一考に価するでしょう。
東向きは午前中日が当たるので、朝日を浴びて気持ちよく一日をスタートさせたいとい
う人に向いています。午後は日が当たらないので、室内が暗くなりがち、冬は寒くなりが
ちですが、逆に夏は涼しいでしょう。昼間は部屋にいないという生活スタイルなら、デメ
リットはさほど気にしなくてすみそうです。
西向きは午後に日が当たるので、午前中は暗くても午後からは明るくなります。また、
冬は暖かく、夏は暑くなるでしょう。
方位に関しては、すべて一長一短があるわけですから、価格を考慮しながら、それぞれ
のライフスタイルにあったものを選ぶべきでしょう。
超高層マンション(タワーマンション)などでは、方位よりも眺望を重視して選ぶ傾向
が見受けられます。たとえ北向きでも、夜景がきれい、海が望めるといった条件を満たす
住戸が人気を集めているようです。ただし、眺望で満足できる住戸は価格も高くなりがち
です。
のある物件なら、間取りを重視するという選択も可能になります。
マンションの間取りは、リビング・ダイニングキッチン(LDK)プラス三部屋の三L
DKタイプが主流を占めています。南向きが人気を集めているので、三LDKの間取りは
南北に細長く、ベランダに面した南側にLDKを、北側に居室を配置するのが一般的です。
そして、廊下が中央にあり、各室が「田の字型」に配置された「振り分けタイプ」が多
いようです。玄関寄りの居室の独立性が高いことが田の字型のメりットです。半面、その
居室が中古マンションの共用廊下に面するため、音やプライバシi面が問題になる可能性もあ
ります。
住戸の側面のほぼ中央に玄関があり、その玄関を挟んで居室とリビングを分離する「センターイン」と呼ばれるタイプもあります。建物の設計によっては、リビング側だけでな
く居室側にもバルコニーを設置できます。
居室の独立性が高く、住戸外だけでなく住戸内のプライバシーを保てること、採光や通
風に優れていることがセンターイン・タイプのメりットです。ただし、価格は高めになる
場合が多いようです。
奥行きよりも間口が広く、バルコニーに面する部分が長い「ワイドスバン」と呼ばれる
タイプもあります。LDプラスニ部屋を南向きのバルコニーに面して配置した「南面三
室」プランも多いようです。バルコニーに面した日当たりのいい部屋が多いことが最大の
メリットですが、柱や梁が多く、あるいは太くなることもあります。
なお、建物の両端に位置する角住戸は、三方向に窓が付けられるので、日当たり、風通
しがよく、住戸外からのプライバシーを守りやすいという特徴があります。その一方、開
口部が多いので外気の影響を受けやすい、窓が多く壁が少ないので家具の置き場が限定さ
れるといった注意点もあります。
それぞれのライフスタイルによって、パブリックスペース(家族全員で使うスペース)
とプライベートスペースをどう使うかで、選ぶべき間取りも変わってきます。
ニー側の窓を天井までのハイサッシにすることができます。アゥトフレームも、逆梁も、
建物の構造に関係する専門用語です。
建物は、柱と梁(大梁)で支えています。基本的に、柱は住戸の四隅にあり、大梁をこ
の柱につなぐように設置します。
そして、柱も大梁も住戸内に出っ張るのが一般的です。
この出っ張りを住戸の外へ移動させる工法のことを「アウトフレーム工法」といいます。
出っ張りをなくすことで、室内を広く使えるようになります。
一方、床の構造は通常、大梁の上に床のコンクリート板(スラブ)を乗せています。こ
の大梁と床のスラブの位置関係を逆にしたものを「逆梁工法」といいます。
アウトフレーム工法と逆梁工法を組み合わせたものがアウトフレーム逆梁工法で、室内に柱や梁の出っ張りがなく、窓やサッシが高い、明るい空間をつくることができます。こうした点から、最近の東京23区の中古マンションではアウトフレーム逆梁工法が人気を集めています。
ただし、バルコニーの先端に柱があるので、リビング・ダイニングに日影ができやすい、バルコニーの奥行きが狭くなりがち、バルコニーに張り出した梁の部分に子供が上ると危険(危険防止のための配慮・対策が必要)といった問題点も指摘されています。
思います。シックハウス症候群というのは、その住宅に住むことで、さらに住宅建材やそ
れに使用される化学物質などが原因で引き起こされる様々な症状、たとえば頭が重い、目
が痛い、耳鳴りがする、吐き気がする、手先・足先がしびれる、慢性的に疲れるといった
症状の総称として使われています。
シックハゥス症候群の原因は、建材や家具などから発散するホルムアルデヒドをはじめ
とする揮発性有機化合物(VOC)といわれています。したがって、コンクリートづくり
のマンションでも、シックハゥス症候群と無縁ではないのです。
建築基準法改正に伴い、ホルムアルデヒドの発散量の多い建材は使用が規制されていま
す。内装材に関しては、ホルムアルデヒドの発散速度に応じて等級が区分されています
(Fと☆の記号で表示)。使用制限がないのは、最も安全性が高いF☆☆☆☆(エフフォースタi)だけです。つまり、F☆☆☆☆の建材を多く使っているマンションは、シックハウスに配慮しているということになります。
ただしシックハウス症候群の発症原因に占めるホルムアルデヒドの割合は一〇%にも満たないといわれています。こうした配慮からか最近では事業主側が竣工・引渡し前にVOCの濃度測定を行うマンションもあります。
測定方法や測定項目は業者によって異なりますが、厚生労働省の「室内空気中化学物質の測定マニュアル」に沿って、ホルムアルデヒドだけでなく住宅性能表示制度で定められているトルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン、アセトアルデヒドの六物質を対象に測定していればベストといえます。