中古マンション 東京 23区

中古マンションの断熱性能

外壁の断熱性の高さは、中で暮らす人の健康や光熱費、ひいては地球規模の省エネ対策
にまで影響してきます。
断熱方法には、断熱材がコンクリートの外壁の内側にある「内断熱」と、外側にある
「外断熱」があります。
外断熱の東京23区の中古マンションも増え始めてきたものの、ほとんどの中古マンションではコストの面や施工の容易さで勝っている内断熱工法が採用されています。「内断熱」の場合、コンクリ
ートは熱気や冷気を溜め込む性質があるため、厚い外壁の温度が内側の室内に伝わりやす
くなってしまいます。
これに対して、「外断熱」はエネルギーを貯蓄するコンクリートの外側で熱気・冷気を遮
断するため室内の温度も安定しやすい状況がつくれます。このことは「暑ければ冷房、寒
ければ暖房」という頻度を少しでも低減でき、家計の光熱費削減やエネルギi消費の節約は、さらには地球環境への配慮にもつながっていきます。
さらに、外断熱はコンクリートの外側に断熱材があることで、コンクリートが日射や雨
水などの影響を直接受けないため、コンクリート本来の耐久性が維持しやすくなるといえ
るでしょう。
ただ、結露対策の点では外壁を外断熱にするだけでなく、アルミと樹脂でできている複
合サッシや複層(ペア)ガラスなどの断熱性の高いものを採用する必要があります。

■地域によって異なる断熱基準

東京23区の中古マンションの断熱方法は内断熱が圧倒的に多いのですが、一口に内断熱といって
もいろいろな工法があり、また断熱材に使われる材料にもいろいろな種類があります。
もっとも、断熱性能を左右するのは工法でも材料でもなく、断熱材の「厚さ」です。合
格といえる厚さは、住宅金融支援機構が定めた断熱基準をみればわかります。
その断熱基準には、旧省エネ基準、新省エネ基準、次世代省エネ基準の三種類があり、
住宅性能表示制度ではそれぞれ等級二、等級三、等級四になります。

こうした基準は全国一律に適用されるのではなく、気候条件の違いによって厚さの基準
値が細分化されています。住宅金融支援機構は沖縄を除く都道府県(沖縄は沖縄振興開発
金融公庫が独自基準を設定)を五つの地域に区分しています。
鉄筋コンクリート造住宅の外壁の断熱で、断熱材に「スタイロフォームニ種」を使う場
合、断熱材の厚さの基準は、東京都や大阪府など四の地域では二五ミリですが、三の地域
では三五ミリ、一の北海道では六〇ミリになります。
このように、気候風土が地域によって異なるのと同じく、断熱基準も地域によって異な
るのです。
■断熱の折り返しも断熱性能を左右


断熱材の厚さと並んで、断熱性能に影響を及ぼすのが「断熱の折り返し」です。
断熱の折り返しというのは、断熱材を入れる外壁面と直交する天井や床のコンクリート能はかなり違ってきます。
折り返し部分の長さには、外壁から四五〇ミリが現在のマンションの標準値とされてい
るので、この標準値が一応の目安になります。

■一階と最上階は床下と屋根の断熱対策も要チェック

中古マンションの一階と最上階の住戸を選ぶ人は、外壁以外にも断熱に関するチェックポイントがありま
す。一階なら床下、最上階は屋根と直接外気に接する部分があり、床下・屋根からの熱エ
ネルギーが室内に伝わるので、それぞれ床下と屋根の断熱性能のチェックが非常に必要で
す。床下および天井の断熱対策の有無、あるいは効果によって住み心地が大きく違ってく
るからです。.
ここでいう一階とは、一階の床下に配管メンテナンススペースがある場合のほか、一階
が駐車場で二階住戸の床が外気に接する場合も含みます(床下が土に面している場合は除
きます)。一階床下が外気に接していれば、床下の断熱は外断熱にする必要があります。
最上階の屋根には直射日光が当たりますし、建物のなかでは日照時間が一番長いので、蓄積される熱エネルギーの量は当然外壁部分よりも多くなります。屋根に十分な断熱対策
が施されていないと、最上階は暑くて、住み心地が最悪になってしまうのです。

このため、屋根スラブに関しては、外断熱が絶対条件です。そして、断熱材の厚さも三
五ミリは必要です。

■中古マンションのガラスとサッシの種類にも注目

たとえ断熱性能に優れた外断熱を採用していても、窓などの開口部には断熱材を施工で
きません。このため、窓などの開口部の断熱対策も建物の断熱性能に影響します。
窓はガラスとサッシを組み合わせたものですが、ガラスにもサッシにも様々な種類があ
ります。ガラスとサッシをどのように組み合わせるかによって、断熱性能が大きく変わっ
てきます。
まずガラスですが、ガラスには単層(シングル)と複層(ペアガラス)の二種類があります。
この空気層が断熱材の役目を果たすので、断熱性能はペアガラスのほうがシングルガラスよりも高くなります。
一方、サッシにはアルミ製、断熱アルミ製、樹脂製、アルミと樹脂の複合タイプ、木製などいろいろな種類があります。
このうち、最も断熱性能が低いのはアルミ製です。断熱性能が低いと、結露が発生しや
すくなります。結露はカビなどの発生原因になるので、健康への悪影響が出る恐れもあり
ます。
結露(窓ガラスなどにつく水滴のこと)は、室内と室外の温度差が大きいと発生します。
ペアガラスのほうがシングルガラスよりも表面温度が下がりにくいので、結露も発生しに
くくなります。ペアガラスのうちの一枚のガラスに熱エネルギーの吸収・再放射率を低く
する特殊コーティング処理を施したものをLoWlE複層ガラスといいます。LoWlE複
層ガラスにしてあると、断熱性はより高くなります。
とはいえ、たとえペアガラスでも、サッシがアルミ製なら、アルミサッシに結露ができ、
その後ガラス面にも発生する場合があります。アルミサッシとペアガラスの組み合わせで
は、十分な断熱効果は期待しにくいといえます。
アルミサッシよりも樹脂サッシ、樹脂サッシよりも木製サッシのほうが断熱効果は高く(結露が発生しにくく)なります。また、サッシを二重、三重にすることで断熱効果を高めることができます。
通常、サッシの種類はパンフレットに記載されているので、必ず確認しましょう。記載
がなければ、モデルルームなどで質問してください。
なお、外断熱には、室内と外気の温度差を低減する効果があるので、結露の発生を抑え
ることができます。さらに、樹脂サッシと複層(ペア)ガラスを組み合わせれば、結露防
止効果が高まります。
結露がなければ、カビやダニの発生を抑制できるほか、壁などの腐食を防ぐこともでき
ます。
このように、建物の劣化を防ぐことで、マンションの耐久性を高める効果もあるわけで
す。

また「中古マンション別チェックシート」では、モデルルームで購入検討者自身がチェック
するべきポイントも指摘しているので、このチェックシートがあれば現地で不安・疑問点
を解消しやすくなるのではないでしょうか。
たとえば、日当たりについては「当、中古マンションの周辺は、南側に美術の広場公園があり、
眺望・日照が確保されています。西側については、空き地となっているため、当該マンシ
ョンと同規模程度の建物が建つ可能性があります。東側には同程度の高さの建物が建って
いますが、道路を挟み約八○メートルの距離が確保されています。気になる方はモデルル
ームの日影図で確認しましょう」といったコメントになります。
この例では、建物が面しているすべての方向の周辺環境について、専門家の目で、一般
の人が見落としがちな内容についてもコメントしているので、すべての検討者に参考にな
ると思います。